「アレルギー」は免疫の病気です。免疫とは体の中に入った有害な異物を攻撃するシステムです。本来は無害なはずの異物に対しておこる過剰な免疫反応により、体に有害な症状が出現することをアレルギーと呼びます。
食物アレルギーは、卵・牛乳・小麦など特定の食品を食べたときに出現するアレルギーで、じんましんや、嘔吐、下痢、咳・ゼーゼーなど様々な症状を起こす疾患です。
症状の程度は軽症から重症まで人によって様々ですが、重篤な場合は2つ以上の臓器に全身性にアレルギー症状が起こり、危機な状態になるとアナフィラキシーに至ります。さらに重篤になると血圧低下や意識障害を伴いアナフィラキシーショックと呼ばれる状態になることもあります。
食物アレルギーは免疫学的機序(免疫反応)を介して起こり、食物そのものの作用によるものは含みません。たとえば体質的に乳糖を分解できない乳糖不耐症は、乳糖を含む食物を摂取すると牛乳アレルギーのように下痢を起こしますがこの場合は免疫学的機序を介しておらず、食物アレルギーではなく食物不耐症という診断になります。
なお、日本の乳児における食物アレルギー有病率は約10%とされており、決して珍しい疾患ではないと言えます。